ディスプレイ広告の活用や費用目安、広告運用4つのメリットをご紹介します
「ディスプレイ広告の特徴が知りたい」
「知識や経験がないままディスプレイ広告担当を任された」
「Web広告を始めたいが、自社に合った広告がわからない」
ディスプレイ広告について、このような疑問や悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、ディスプレイ広告に関する基本的な知識から、メリットとデメリット、ディスプレイ広告に向いている商材や成果を出すための対処法まで包括的に解説していきます。
ディスプレイ広告の運用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
ディスプレイ広告とは
ディスプレイ広告の基本
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリなどの画面上に設けられた広告枠に、画像や動画、テキストなど様々な形式のクリエイティブを用いて自社の商材を宣伝する広告手法です。
一般的に、画像とテキスト、あるいは動画とテキストを組み合わせたバナー形式で掲載されることが多いため、バナー広告とも呼ばれます。
また、Webサイトごとのコンテンツやキーワードに応じて自動掲載することも可能なため、コンテンツ連動形広告と呼ばれることもあります。
リスティング広告との違い
ディスプレイ広告と並ぶ代表的なWeb広告手法に、リスティング広告(検索連動型広告)があります。
これらの広告は、一見よく似ているようで実際の役割は大きく異なります。
ディスプレイ広告とリスティング広告の違いは次の通りです。
ディスプレイ広告 | リスティング広告 | |
---|---|---|
費用 | クリック課金 or インプレッション課金 | クリック課金 |
広告の掲載場所 | Webサイトおよびアプリ画面上の広告枠 | 検索結果ページの上部 |
広告の形式 | 画像+テキスト or 動画+テキスト | テキストのみ |
広告のターゲット層 | 潜在層 | 顕在層 |
ターゲティング方法 | キーワード、ユーザー情報、 リターゲティング、類似ユーザー、など | キーワード |
クリック単価(CPA) | 低い | 高い |
両者の最大の違いとして、ターゲット層の違いが挙げられます。
リスティング広告では、「ダイエット 方法」や「転職 おすすめ」などの検索ワードに基づいて、「目的が顕在化しているユーザ」ーに対して自社の商材を宣伝します。
一方、ディスプレイ広告の対象となるのは、Webサイトやアプリ画面を見ているだけの「目的が顕在化していないユーザー(潜在層)」です。
そのため、リスティング広告は直接ユーザーに購入や問い合わせを促す広告であり、ディスプレイ広告は自社商材の認知度を高めるブランディング戦略と相性が良い広告と言えます。
ディスプレイ広告のメリット・デメリット
ディスプレイ広告には様々なメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。
ディスプレイ広告運用で成果を出すために、メリットとデメリットを正しく理解しておきましょう。
ディスプレイ広告を運用するメリット4つ
1.クリック単価が安く、低予算で大量のクリックを集められる
上述の通り、リスティング広告は顕在層のユーザーにクリックを促す手法であるため、他社の広告との競争が激しく、クリック単価が高くなる傾向があります。
一方、潜在層向けのディスプレイ広告はリスティング広告に比べてクリック単価が高騰しにくい傾向にあります。
そのため、ディスプレイ広告を正しく活用すれば低予算でも多くの広告効果が期待できます。
2.潜在層のユーザーへアプローチできる
とある調査によると、インターネットユーザーはネット利用時間の9割以上をWebサイトやアプリ、SNSなどのコンテンツ閲覧に費やしており、検索行動に費やす時間は全体のわずか数%といわれてます。
ディスプレイ広告では、コンテンツ閲覧中のユーザーに向けて自社商材を訴求するため、将来顧客になる可能性がある潜在層に対して自社ブランドの認知拡大を目指せます。
3.豊富なクリエイティブでブランディングを強化できる
リスティング広告がテキストのみの訴求であるのに対して、ディスプレイ広告では画像とテキスト、もしくは動画とテキストの組み合わせで自社商材を宣伝できます。
テキストだけでは伝わらない自社の魅力や特徴を訴求できるため、自社ブランディングの強化につながります。
4.リターゲティング広告で関心度の高いユーザーを狙い打ちできる
ディスプレイ広告でとくに役立つのが、リターゲティング広告です。
Google広告ではリマーケティングとも呼ばれるこの手法は、過去に自社サイトを訪れたことのあるユーザーをターゲットとして広告を再配信できる機能です。
自社サイトに訪問済みのユーザーは、自社のサービスを認知していたり関心がある可能性が高いため、リターゲティング広告を活用すれば「興味はあるけどまだ成約していない」というユーザーの取りこぼしを防げます。
ディスプレイ広告のデメリット2つ
1.コンバージョンにつながりにくい
ディスプレイ広告は、Webサイトやアプリ画面を見ている潜在層ユーザーに対しての広告手法です。
そのため、認知拡大には大いに効果を発揮する反面、商品の購入やサービスの契約といった直接的なコンバージョンにはつながりにくいというデメリットがあります。
この点は、顕在層ユーザーに訴求して高いコンバージョン率を見込めるリスティング広告と相互補完的に運用する必要があります。
2.成果要因の判断が難しく、PDCAを回しにくい
ディスプレイ広告では、テキストだけではなく画像や動画もクリエイティブとして使用できるほか、様々なターゲティング方法を駆使することで特定のユーザーを狙い打ちできます。
しかし、それは裏を返せば、広告のパフォーマンスが良い時あるいは悪い時に「テキスト、画像、動画、ターゲティングのうち何が原因なのか」が分かりづらいという欠点でもあります。
そのため、効果的なクリエイティブテストや適切なターゲティング設定を行うには、プロ並みのノウハウが必要になります。
ディスプレイ広告の運用方法
ここまで、ディスプレイ広告の特徴やメリット・デメリットを解説してきました。
ここからは、ディスプレイ広告の運用を始めるための具体的な費用と掲載先について紹介します。
費用
1.クリック課金
ディスプレイ広告では、リスティング広告と同様にクリック課金制の広告配信が基本です。
クリック課金制では、自社のディスプレイ広告が一度クリックされるたびに費用が発生します。
ワンクリックあたりの上限入札金額はあらかじめ設定できて、広告がクリックされない限り費用は発生しません。
2.インプレッション課金
上述のクリック課金制のほか、ディスプレイ広告ではインプレッション課金制での広告配信も選択できます。
インプレッション課金では、自社の広告がユーザーの画面上に表示されるたびに費用が発生します。
一般的に、インプレッション課金制では表示回数1,000回あたりの入札金額を設定し、実際に広告が1,000回表示されると入札となります。
Googleのディスプレイ広告の場合、広告の表示は次のように定義されています。
広告が「視認範囲」とみなされるのは、広告面積の 50% 以上が画面に表示され、かつディスプレイ広告では 1 秒以上の表示、動画広告では 2 秒以上の継続再生があった場合です。
掲載先
GDN(Google)
ディスプレイ広告の掲載先としては、GoogleとYahoo!の2大アドネットワークを使用するのが一般的です。
なかでもGoogleが提供するGDN(Google Display Network)では、累計200万以上のGoogle提携サイトで広告を掲載できます。
代表的なWebサイトとしては、YouTube、価格.com、食べログといった大手サイトのほか、Google AdSenseを取得している個人ブログなどにも掲載されます。
YDA(Yahoo!)
一方、Yahoo!が提供するYDA(Yahoo Display Ads、旧YDN: Yahoo Display Ad-Network)では、国内大手検索エンジンであるYahoo! JAPANの提携サイトにディスプレイ広告を掲載できます。
基本的な仕組みはGDNと共通している部分もありますが、Yahoo! JAPANでの検索キーワードに基づいて配信ターゲットを絞り込むサーチターゲティングや、Yahoo!のスマートフォン用アプリ上で広告を表示するインフィード広告など、YDA特有の機能もあります。
ディスプレイ広告に向いている商材3つ
無料トライアルや資料請求など、敷居の低い商材
ディスプレイ広告で特に効果が期待できるのが、新規顧客にとって敷居の低い商品やサービスです。
上述の通り、ディスプレイ広告はする商品や契約が面倒なサービスは、ディスプレイ広告を見ているユーザーにとっては負担が大きく、成果につながりにくくなります。
そのため、ディスプレイ広告を運用する際は「初回分は無料で提供」や「1分でカンタン資料請求」など、ユーザーにとって敷居の低いオファーを用意しておくのがおすすめです。
期間限定の商材
短期間で一定の販売件数を達成したいといったケースにも、ディスプレイ広告は効果的です。
期間限定キャンペーンは、「このタイミングを逃せばもう手に入らない」という理由から潜在層のクリックを促しやすくなります。
加えて、検索ボリューム以上の販売件数は見込めないリスティング広告と異なり、広範なアドネットワークを活用するディスプレイ広告ではより多数のユーザーへアプローチできます。
認知度の低いニッチな商材
最後に、まだサービス自体の認知度が低く検索ボリュームが少ない、あるいは検索ニーズがないようなニッチな商材を宣伝する際にも、ディスプレイ広告は効果を発揮します。
そもそも検索ニーズがない商材を取り扱う場合、ユーザーの検索ワードに依存するリスティング広告の運用は適切とはいえません。
ディスプレイ広告では、ユーザーの年齢や性別、居住地、最近の検索ワードや閲覧コンテンツの傾向など様々な要因からターゲットを絞り込めるため、認知度の低い商品やサービスでも潜在層に訴求できます。
ディスプレイ広告で成果が出ない時の対処法3つ
広告運用の目的を明確化する
Web広告全般に当てはまることですが、広告運用で思うような成果が出ない時は、その広告を運用している目的を改めて明確にすることが大切です。
とくにディスプレイ広告は、直接的なコンバージョンの獲得ではなく、認知拡大やブランディング強化を目的として運用する広告です。
目先のコンバージョンに一喜一憂せず、中長期的な視点で広告を運用することが大切です。
リスティング広告の補完的役割で運用する
上述の通り、ディスプレイ広告だけでユーザーからコンバージョンを獲得するのは非常に困難です。
ディスプレイ広告は飽くまで認知拡大施策として運用し、自社商材に関連するキーワードで検索した顕在層はリスティング広告で刈り取る、というようにそれぞれの広告を相互補完的に運用しましょう。
パフォーマンスの高い配信先に絞って配信する
ディスプレイ広告では、クリックやコンバージョンが頻繁に発生している掲載先だけを残し、パフォーマンスの低い掲載先を除外できます。
プレースメントと呼ばれるこの施策は、Google広告やYahoo広告の管理画面から設定可能です。
パフォーマンスの高い掲載先に集中して広告を配信することで、広告効果を高められます。
次回は「リスティング広告」についてです。
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