経営層への課題ヒアリングの聞く内容をあげてみます
課題の把握で以下のヒアリングのコツを意識しながら「経営者」「業務部門」にヒアリングを行う。
※必要に応じて取捨選択のこと。
- 自分の意見を絶対に述べない
- 内容が抽象的な場合は「例えば○○ということですか」という誘導の問いを発する
- 理由があいまいな場合には、「なぜ」を繰り返す
- 重要な内容については、「こんな話があったのですが」と切り出して確証を得る
- 相手の話が止まった場合には、「他にないですか」を繰り返す
経営層への課題ヒアリング項目
中期計画等について
② 中期計画の背景(強み、弱み、機会、脅威)
③ 中期計画策定のプロセス(各部門の参加は?)
④ コア・コンピタンス(自社の核となる技術や特色)
⑤ 各部門での遂行状況
⑥ 遂行にあたっての課題
事業内容ついて
② 主な営業方法
③ モノ、金、情報の流れ
④ 事業体制
市場ついて
② 御社の市場における位置づけ
③ 競合他社の状況
顧客について
② 顧客の特性
今年度の経営方針
② 本部、部の方針
経営課題、問題点
② 顧客対応について
③ 業務の進め方
④ 社員スキル、風土
経営層の思い
以上のヒアリング項目サンプルは、すべて聞かなければならないという訳ではない
ので、必要に応じて取捨選択し現状の課題を把握し次のステップへ繋げて行く。
業務部門への課題ヒアリング項目
現状業務内容について
① 業務概要(部門ごとに)
<営業部門>
・提供している商品
・主要クライアント
・利用しているツール
・営業方法(売り込みのチャネル、提案方法など)
・商品提供のしくみ
<企画開発系部門>
・対象商品
・開発の範囲
・企画開発の方法(手順、関係先、評価方法等)
② 主要業務の内容
③ 主に利用しているシステム(全社システム、部門システム)とその評価
業務課題について
① 業務を進める上で最も重要なポイント(中期経営計画に照らして)
② 業務上の問題点、課題
③ 業務上での改善策
・クライアントの拡大
・コスト削減
・商品魅力度アップ など
システム課題について
① 現状システムの問題点
② 現状システムへの改善要望
③ 新たなシステム化の要望
情報化のレベルについて色々なケースがある
情報化には、次表に示すような3つのレベルがある。
業務改革 | 業務改善 | 作業改革 | |
---|---|---|---|
パフォーマンス改善率 | 劇的な効果 80~85% | 通常の効果 10~45% | 限定的な効果 5~10% |
対象領域 | 全ビジネスプロセスまたは複数のサブプロセスにまたがる領域 | 部局内の複数業務にまたがる領域 | 特定の業務に限定 |
所要期間 | 最低9~18ヶ月 | 1年未満 | 数ヶ月程度であるが、繰り返しいろいろな業務において実施することになる |
焦点 | 現在のビジネスプロセスをトータルに見直し再構築する | 特定の業務機能を自動化する | 今の業務の進め方を改良する。 |
必要なリーダシップ | 経営層によるリーダーシップが必要 | 部門長によるリーダーシップが必要 | 担当責任者によるリーダーシップが必要 |
実施方法 | 業務担当者とその業務のサービスを受ける人たちを含んだ専任チームによる実施 | 関連部署の代表者からなるWGによる実施 | 当該業務の担当者によるQC活動的な方法による実施 |
リスクとコスト | 人的資源と経営資源を占有し高いリスクを伴う現在とは大きく隔たったビジネスプロセスへと変貌するには多大な抵抗がある | リスクの大きさはどの位のビジネスプロセスが含まれるかによるが、あまり大きなものではない追加コストと要員を必要とし、改善されたプロセスを実施するにはそれなりの抵抗を伴う | リスクは小さく、現状の資源のやりくりで対応できる活動の結果考え出された新しい方法は抵抗なく受け入れられる |
基本理念 | 現在のビジネスの方法を根本的に変える機構や技術、システム、風土の変革を前提とする | 現在のビジネスの方法を変えずに付加価値を生まない業務プロセスを取り除く | 業務手順の限られたステップ内での改善 |
情報化を検討する際には「業務改革」「業務改善」「作業改善」とレベル分けをして自分がやりたいのはどのレベルか意識して実行して行くべきです。
その「見える化」と思っている事柄は実は「見る化」です
随分前から聞く言葉で「見える化」と言うものがありますが人それぞれ解釈が異なっており実はよく見えない状態です。
Google先生に確認してみると「見える化=可視化」と言う回答が多い様に思いますが「可視化」とはあまりにも漠然としすぎで見えたからどうしたと言う感じです。
漠然としたものから「見える化」とは日常風景(予定業務)から逸脱した異常性に「気づく事」だと定義するとやる事はシンプルになります。
異常性にいち早く気づく事により業務的判断/経営的判断が迅速に行えるではないでしょうか。
※ここで言う異常性は,急激な売上げ増やトラブルなどプラス/マイナスの両方の側面があります。
「見る」と「見える」の違いについて
「見る」は意識的な行動であり殆どの場合アクションを伴い確認するもので,
「見える」は無意識の内に視界に入ってくる違和感を感じるものと定義してみます。
その「見える化」は実は「見る化」です
とある企業での業務改善で点検の日程が誰でも分かるように点検カレンダーをホワイトボードに張り付けて「見える化」を実施と言われていました。
確かにホワイトボードに紙が張られているのが見える状態です。
しかし内容を確認しようとするとホワイトボードの場所まで歩いて行き見る必要があります。
誰かが見に行かなければ気づかない状態になります。
これでは「見る化」と言えるでしょう。
「見える化」への改善
上記内容をさらに改善され点検実施者が休みであっても他の誰かが気づき作業漏れが確実になくなっていく体制になりました。
主な改善点は以下の通りです。
改善点
点検カレンダーを大きな紙(A3用紙×2)に印刷する。
点検場所をマグネットで作成し完了したらカレンダーから移動させるようにした。
ホワイトボードをみんなから見えやすい位置に移動した。
大きな気づき,小さな気づきを沢山あつめ日常からの異常性にいち早く対処できる様になれたらいい事がありそうな気がします。
事例のご紹介
FAXのトレイに紙が置かれたらバトランプが点灯する。
注文FAXが届いても気づかない事が多くあり注文処理が遅れることにより納期遅延が発生する事もある為,注文があったら直に注文処理が出来る様な
仕組み作りが急務であった。そこで検討をかさね,1の対処法に至った。
導入当初バトランプが点灯した事により導入を知らない人達が,「なにが起こった」とちょっとした騒ぎになった。それこそが「見える化」であり「気づき」であると思います。
ナレッジマネージメントの成功への第一歩を踏みだす
ナレッジマネージメントを成功させるための第一歩を考察して行きたいと思います。
実際問題として、ナレッジマネージメントを導入してもあまり使われる事もなくフェードアウトして行く会社は多いです。
まずナレッジ(knowledge)の定義は「有益な情報」「付加価値のある経験や知識」と言うものかと思います。情報収集していると「ナレッジマネージメントとは」とか「ナレッジマネージメントシステムの紹介」とか経営に役立つとかノウハウの継承とか色々あります。
しかし、肝心の「有益な情報」「付加価値のある経験や知識」の集め方を紹介しているところは見当たりません。
たまに見かけるのが業務の推進や改善の繰り返しで情報が集まると言っている方もいるが、実際には情報は集まらない。
なぜなら「有益な情報」「付加価値のある経験や知識」は、個人の価値であり資産でもあるので簡単には吐き出して貰えない。
そして集まるのはどうでもいい情報....
では如何に「有益な情報」「付加価値のある経験や知識」を集め活用できるかを考えていきたいと思う。
ナレッジマネージメントシステムと言うツールは、使い勝手や好みがあるので色々調べて貰うという事で割愛します。
価値ある情報をその人に出して貰うにはやはり「有償」と言う事になると思う。
経営に役立てたりノウハウの継承に役立てるためには必要経費だと思うし「育てたのは会社だ!!」の思いもあるあるかもしれないが、そこに固執すると価値ある情報を持ったまま同業他社に転職されるかもしれない。
そうなってしまえば目も当てられない。
情報集めを「有償」に決めたらあとは人事考課や支払かたなどの整備に移行して行く話になると思う。
あと、何を持って「有益な情報」「付加価値のある経験や知識」するかではあるが、システムで利用者が「役立った」「いいね!」と付けた数や閲覧数など会社毎の事情に合わせて調整していけたらいいと思う。
今回のポイントとしてはナレッジマネージメントの成功への第一歩として価値ある情報の集め方から始めて事情にあったシステム導入を検討するのがよいと思います。
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